
できあがりです。
四式中戦車チトと並行して開発されていた、新技術の実験的な戦車です。
チトの方が本命とされたため、量産計画は無かったようです。
なお、「チチ」は欠番になっています。

三菱重工側からトーションバースプリングのサスペンションや
オートマチックトランスミッションなどの提案があったようですが、
結局、従来型と同様になっています。

半自動装填装置が付いています。
給弾は人力ですが、装弾機に砲弾を載せると機械的に装填される仕掛けです。
61式戦車は自動装填できませんので、かなり先進的な物だと思います。

全幅は3.07mで日本の鉄道の車両限界(3m)を超えていますが、この程度のはみ出しなら速度を落とせば通過可能です。

この戦車は74式戦車並みの大きさと重量があり、当時のディーゼルエンジンの技術では
400馬力が限界だったので、BMWの600馬力の航空機用ガソリンエンジンが載っています。
昭和20年3月に富士裾野で走行して試射したとの記録がありますが、どの程度の性能なのか
詳しい史料は見つかっていないようです。
半自動装填装置の具合が悪く、主砲ごと外された状態で終戦になりました。

チトと並べたところです。
かなり大きさが異なります。
チリの砲塔が巨大ですが、半自動装填装置が納まっているからです。
チリの方は車台に37mm砲が付いています。

イージーエイトと並べたところです。

このように並べると、チトが意外と小さく見えてきます。

ティーガーと並べたところです。
主砲の太さがだいぶ違いますね。