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レトロテレビ

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 今では処分に困る程普及したテレビですが、テレビの父と呼ばれた高柳健次郎氏が ニコー式ブラウン管に「イ」の文字を映したのが切っ掛けでした。
遠くの人にも歌舞伎を見て貰いたいと研究を重ねますが、戦争の激化により中断。
戦後はGHQにより研究を禁止されます。

直談判の末に研究を許可されますが、課題が多すぎる為に教え子と共に研究を続けます。
教え子と共にビクター(現JVC KENWOOD)に入社しますが、カメラや放送設備に役割分担する手法が採られます。
こうして東芝やNHK等と企業間を越えた共同開発する事により、走査線525本のモノクロームテレビでの放送にこぎ着けます。

当時525本の走査線を制御する事は困難を極め、偏向コイルの巻き方をコサイン巻とする事で画面の歪みを制御する事に成功しますが、 それが早川電気(現シャープ)で研究を続けていた弟子でした。
コサイン巻はアメリカRCA社の基本パテントでしたが、使用許可取得に尽力したのが早川電気社長の早川徳次氏です。

そんな理由から、どうせレトロテレビを入手するならシャープブランドだと捜していた処、偶然に入手したのが今回の個体です。


ネットオークションで入手した個体。
残念ながらチャンネルダイヤルとエンブレムが欠品しています。




裏板のパーティクルボードは1/3が欠損。
底板に限っては完全に遺失しています。



分解して取り出したメインシャーシ。
上面は真空管が占めていますが、ブラウン管との干渉を防止するために殆どがシールドケースで覆われています。
画面奥左手の箱はアノード回路で、高電圧による感電を防ぐためにボックスに入れられた状態になっていますが、 内部はやはり真空管が占めています。
上部脇にナツメ球が見えますが、点検用の照明で、ボックスに設けられたスイッチにより点灯する様になっています。



シャーシ裏面はコンデンサーや抵抗、ダイオードが所狭しと納められていますが、 基盤化されていない為に各素子の足が真空管ソケットに直接ハンダ付けされており、 非常に雑然とした光景です。
コンデンサーはオイルタイプとペーパータイプが使用されおり、 大半は容量抜けの状態です。
このまま通電すれば発火は確実でしょう。
尚、左に見えるマニ車の様な円筒形部品がチャンネルです。



チャンネル表示板は別になっており、 半透明の円盤が裏からの照明によって照らされる事により受信中のチャンネルだけが窓を通して表示される様になっています。
チャンネルダイヤル軸とはベルトかチェーンで繋がっていた様ですが、入手した固体はそれが遺失して連動できなくなっています。




この個体をカラーテレビとして改造してゆきます。


《[戻る]| [続く]》



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解説/ BOW



2016.01/04


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