今回はアメリカのシュウインから限定で発売されていたチョッパー自転車の紹介です。
シュウインは自転車がまだ贅沢品だった時代に庶民に手が届く価格でそれを普及させたメーカーで、
自動車でいうシボレーやフォードの様な大衆車のイメージが払拭されません。
しかしフォードのマスタングやシボレーのコーベットスティングレイ、エルカミーノの様な個性的な車種をリリースした様に、
シュウイン社もスティングレイの様な他社には無いデザインの自転車を発売してきました。
今回のチョッパー自転車はそんな中でも特に個性的なデザインで、オートバイのチョッパー改造を得意とするOCC(オレンジ・カウンティ・チョッパー)との
コラボレーションによって誕生した車種です。
特徴的なのはこれまでの常識を覆すロングフレームと、典型的なロッカー型スプリンガーフォークを装備し、オートバイだと認可されない様な
実用度外視の外観になっている事が挙げられます。
資料によると2005年〜2007年に限定2000台生産された事になっており、3年越しでやっと手に入れたのですが、
気になる部分も多い為に大幅な改造にトライしています。
先ずはノーマルの全容から。

全体像。
誰が見てもチョッパー以外の何物でもない個性的なデザインです。
全長は普通自転車の枠である190cmを越える230cmで、「自転車通行可」の標識があっても歩道やサイクリング道路は通行できず、
車道通行に限定されます。(耶馬渓サイクリングロードは軽車両を除くの補助標識がある為に走行可能です)

最大の特徴であるロッカー型スプリンガーフォーク。
ブレーキも180Φのディスクが奢られており、明らかにオーバースペックですが、逆に良いアクセントになってます。
ボルト類や手入れの際に手が届かない裏側には錆が発生しています。

サスペンションはオートバイと違ってダンパー無し。
クッションスプリングとリバウンドスプリングのみで構成されています。
やはり溶接部や稼動フォークの摺動部にも錆が発生しています。
ライトはオマケで着いてきたものですが、サイドプルブレーキと共締めで取り付けるステーをそのまま使っている為に左右どちらかに傾きます。

スプリングの裏側は錆が酷く、赤茶色に変色しています。

スタンドは2本脚のセンタースタンド。この為に前輪は浮いた状態になり、ハンドルが切れた状態だと大きくバランスが崩れます。

稼動フォークのブリッジ部分の錆は特に深刻で、赤茶色の部分が拡大しつつある状態です。

リアビュー。
全体のイメージとは方向性が異なると思われるクラシカルなディープフェンダーになっていのも気になる点です。
フェンダー自体が左にずれているのは左側のステーが折損している為で、前持ち主がパテでフェンダー裏側に無理矢理固定していました。
工事用パイロンの様なタイヤパターンも気になる処。舗装路用自転車のタイヤパターンは単なるデザインに過ぎないのですが、なぜわざわざこの様なパターンにしたのかは謎です。実際に走行してみても、按摩機の様な振動とノイズが発生し、「快適」からは程遠い乗り心地です。