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ジャガー折り畳み自転車

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 2005年9月の台風により線路が流出し、復旧を果たせないまま全線が廃止された高千穂線の一部が散策路として整備された情報を入手した為、折り畳み自転車を購入。元々フレームを折り畳むという力学的不安要素が拭えない機種を選択したのは現地までの距離以外にありません。
やはり片道200q近い距離の移動に軽トラではきつい年齢となってしまい、5ナンバーの小型車ながら乗用車で往復したかったからに他なりません。

整備された区間は橋上以外全て砂利による簡易舗装で、「レールをあえて残し、鉄道の雰囲気は残している」と紹介されいました。
廃線路線散策を趣味とする私にとっては歓迎すべき処置なのですが、やはり使用する自転車は若干でもクッションは欲しい為にフルサスタイプを物色。偶然ネットオークションに出品されていたのが今回レポするモデルです。

入手したモデルはジャガーブランドになっていますが、レポの前にジャガーについて簡単に説明しておきます。「別にジャガーの素性なんてどうでも良いよ」と言われる方はレポにお進み下さい。


ジャガーは元々サイドカーメーカとして発足しており、イギリスのベストセラー大衆車であるオースチン セブンのシャーシにオリジナルのボディーを換装したスワローによって自動車部門に参入。その後専用設計のシャーシを持つSS1及びSS2を発売。しかし自動車専門家やマニア層からは「見かけ倒しのまがい物」と侮られていた為にエンジンからシャーシ、ボディに至るまで全てを専用設計し、ジャガーブランドが確立されます。
ジャガーのブランドはル・マン24時間耐久レースに5回もの優勝を果たした事で確固たるものなり、それを後押しする形でディムラーを買収し、高級車ブランドのイメージとなります。
しかしBMCとの合併で品質が低下。更にオイルショックの影響を受けて販売台数が大幅に落ち込み、ついには国営化されます。そもそもベントレーやアストンマーチンの1/3〜1/2の価格であった為、購買層は高級車と大衆車に二分化されたものと思われます。
1984年の民営化政策によって再び民営化されますが、1989年にフォード傘下に入る事で一気に大衆車のイメージへと逆戻り。現在はローバーと共にインドのタタ自動車に買収されています。
JAGUARは「ジャガー」ではなく「ジャグァー」と発音に拘る人まで居ますが、V12のダブルシックスやXJ-Sと同じボディーに直6のエンジンを載せた廉価ヴァリエーション展開する等、個人的にはベントレーやアストンマーチンとは違って高級車と呼んではいけないのではないかと思っています。




入手した個体です。
アルミフレームに20inホイール…と、折り畳み自転車として適切な条件を備えていると思います。
この時点で既にグリップとサドル、タイヤはオリジナルではなくなっています。
また、スタンドはボロボロだった為に新品と交換し、サドルバッグもリッジランナーで使用していた物を流用しています。




新車時の状態を保っている借り物画像です。
フレームが別物の様にも見えますが、室内保管で照明が反射している為です。
グリップやサドル、タイヤはツートンになっており、高級ブランドに見えなくもありません。




フレームのリーピングキャットとロゴは一体のステッカーになっていて、既に多数のクラックが入っています。
確かに前世紀末までのミヤタやマルイシ等の国産高額車両さえも同様の手法でしたが、アメリカやヨーロッパではデカールかペイントによって表記され、 たとえソリッドカラーでもその上からクリアが吹かれていました。
因みにヘッドマークも単なるステッカーになっており、ブランドイメージを大切にするのならば絶対にあり得ない処理です。



整備を進めている内に次々とボロが露呈。支那製の安物シティーサイクルにステッカーを貼っただけと疑わざるを得ない部分が散見されます。
次回よりその部位を中心にレポを進めます。



《[戻る]| [続く]》



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解説/ BOW



2014.11/18


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